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瓦屋根の利点と魅力

海外でも注目!日本の瓦

昨今街を見渡すと、コロニアルや金属屋根のお家がめっきり増え、年々新築着工件数が減ってきている「瓦屋根のお家」
そのため瓦=古臭い屋根材のイメージを持たれ、新築や屋根リフォームの際に瓦を敬遠される方も多いのではないでしょうか?

ですが一歩海外に目を向けますと、実は今ロシア・モスクワの富裕層を中心に日本の瓦が大変注目されており、「Made in Japanの瓦屋根」がとても人気を博しています。
このことは和をテーマにした人気エンターテインメント番組「和風総本家」でも取り上げられ、御覧になった方も多くいらっしゃるかと思いますが

では、なぜ日本から遠く離れたロシア・モスクワで日本の瓦が人気を集めているのでしょうか?

「ロシア・モスクワ 極寒の国が注目!日本伝統の瓦」

番組では島根県江津市にある㈱丸惣の「石州瓦」が取り上げられていました。
石州瓦は瓦の三大産地に数えられる島根県石見地方で作られる粘土瓦のことです。

なぜ石州瓦がロシアに渡ったの?

その理由は「寒さに強いから」

実は石州瓦は焼成温度1200℃~1300℃という高温で焼き上げられることによって土が良くしまり、寒さにとても強い瓦として昔から有名なのです。その石州瓦の日本の寒冷地方での確かな実績が認められ、遠くロシアからも引き合いが来たそうです。

ロシアの瓦屋根ユーザーさんの声
実際に石州瓦の屋根のお家に住まわれている方へのインタビューでは
瓦屋根について

熱も通さないし音も通しません。何と言っても外観がとても綺麗です
この瓦のおかげで冬は暖かく、夏は涼しく過ごせています
今では石州瓦にして良かったと、非常に満足しています

と語っておられました。

実はこの瓦屋根初体験のロシアのユーザーさんが語った言葉にこそ、瓦屋根の利点がギュッと凝縮されているのです。

住めば実感!瓦屋根の利点のとは?

①優れた断熱性

あまり知られていませんが、日本の瓦は「寒い国」のロシアだけでなく、現在シンガポールやタイなどの「暑い国」でも人気があり、大型ショッピングセンターや富裕層向け高級住宅などに採用され、年々輸出量を伸ばしています。

このことは日本の瓦がとても断熱性能に優れた屋根材であることを物語っています。では、「夏涼しく、冬暖かい」を両立させる瓦屋根の秘密はどこにあるのでしょうか?

その秘密は施工法にアリ!

断熱性能と聞くと、「瓦素材そのもの性能」という印象を受けるかも知れませんが、実は高い断熱性能の秘密は遥か昔から脈々と受け継がれて来た「瓦屋根の施工法」にあるのです。

三州瓦の屋根構造
クリックで拡大します

まずはこちらの瓦屋根の断面図を御覧ください。

瓦を下地の屋根材(野地板といいます)から浮かせて設置されているのがお分かりになるかと思います

これにより、瓦と屋根の野地板との間に空間が生まれ、それが空気層となり高い断熱効果を発揮するのです。

この空気層には夏場の外気温の暑さを室内側に伝えにくくする効果があります。

屋根断面の熱の流れ

下の表は全瓦連(一般社団法人全国瓦工事業連盟)が行った外気温36℃で野地板の表面(屋外側)と裏面(室内側)の温度を屋根材ごとに測定した実験結果です。

この実験結果を見れば瓦屋根がいかに夏涼しく快適かがお分かりいただけるかと思います。

外気温36℃ 野地板表面の温度 野地板裏面の温度
日本瓦 48.9 45.3
平瓦 52.9 47.6
化粧スレート瓦 57.9 52.7
ガルバリウム鋼板 59.5 57.9

暖かく快適! また瓦屋根の空気層は、冬場には室内側への寒さの侵入を防ぎ、室内の暖かさを外に逃がさないという効果を発揮します。

その理由は皆さんもお使いの羽毛布団やダウンジャケットの仕組みをご想像頂ければ、すぐにピンと来られるかと思います。

こうした空気層を作り活用する工法は、屋根材と野地板を密着させるスレート屋根や金属屋根とは一線を画す、瓦屋根ならではの工法と言えます。

②耐候性

耐候性とは簡単に言うと「紫外線などによる色褪せ」に対してどれくらい強いかを示す性能です。お家の屋根は外観の大きな要素となっており、屋根面の退色は住宅のデザイン性、質感、美観を大きく損ないます。

ハウスメーカー等で一般的に行われている超促進耐候性試験(メタルウェザー試験)により瓦と化粧スレートとの比較試験を行った結果、テストに使用した三州瓦では30年相当※の照射試験後においても色の変化は殆ど見られず、目視判定においても『変色せず』という評価を得ました。

これに対し化粧スレートでは、3年相当で早くも変色が発生し、10~30年相当では大きな褪色が確認されました。

テストの詳細はこちら

JIS E 4037:2001日本の平均年間放射露光量より算出し、105時間を1年と見なしており、3年相当で315時間、30年相当で3,150時間※の照射となります。

色褪せが進んだスレートの屋根

色褪せが進んだスレートの屋根

塗装が劣化してしまうと美観と防水性能が一気に落ちてしまうため、スレート屋根では10年~15年ごとに屋根の塗り直しが必要とされています。
この避けられない経年劣化がスレート屋根の一番の泣き所です。

経年劣化しない瓦

経年劣化しない瓦

瓦素材自体は30年~60年程度使用したとしても経年劣化はありません。

ただし、長年使い込んだ瓦は新品当時と比べると釉薬の艶など色味が変化します。しかしそれで品質や性能が落ちることはありません。そうした経年変化も建物の味として楽しめるところも瓦屋根の魅力です。

③防音性能

お家の外は色々な騒音にあふれていますが、意外と気になるのが屋根を激しくたたく雨音。

粘土瓦は、金属屋根やスレート屋根に比べ、殆ど音を発生させません。外部の騒音をシャットアウトして静かな暮らしを約束する、それが粘土瓦のすぐれた防音性能です。

赤ちゃんやお年寄りなど、騒音に敏感な方のいるご家庭に瓦屋根は最適です!

悪徳業者から身を守る3つの心得
④その他の性能

他にも耐水性能や耐震性能、耐火性能、環境性能などにも優れており、瓦屋根には多くの利点があります。

詳しくはこちら ※クリックで(一社)全瓦連のサイトにジャンプします

このページの引用元と関連記事
<(一社)全瓦連ホームページより>
瓦の性能・各種瓦の紹介
http://www.yane.or.jp/kawara/seinou.shtml
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